伊奈学園総合高校と埼玉栄高校

埼玉県内でも屈指の人気を誇る、県立の伊奈学園総合高校と私立の埼玉栄高校。公立と私立という設置形態の違いに加え、それぞれが非常にユニークな教育システムを持っていることから、併願先としても第一志望としても常に比較の対象となる2校です。特に大規模校ならではの多様な学びを提供する伊奈学園と、全国レベルの部活動と手厚い進学指導を両立させる埼玉栄は、多くの受験生にとって憧れの存在となっています。

特に令和9年度(2027年度)入試からは、埼玉県公立高校の入試制度が数十年ぶりに大幅刷新されることが決定しており、受験生とその保護者様にとっては、これまでの「常識」が通用しない新たな局面を迎えています。合格を勝ち取るためには、両校の最新の特色を正しく理解し、新制度に基づいた戦略的な準備を進める必要があります。入試制度の変化により、調査書(内申点)の扱いから当日の試験内容、さらには新たに導入される面接の形式まで、多角的な対策が求められるようになります。

本記事では、伊奈学園総合高校と埼玉栄高校の入試難易度、独自の校風、そして最新の進学実績を徹底的に比較・分析しました。公式サイトや公的機関から発表されている最新データのみに基づき、憶測を排した確かな情報をお届けします。進学先を検討する上で最も気になる「実際の合格ライン」や「学校生活のリアル」、そして「保護者様が知っておくべき学費の支援制度」についても、令和8年5月現在の最新状況を反映してまとめています。

これから高校選びを本格化させる中学生の皆さんと、お子様の将来を支える保護者様にとって、この記事が最良の選択をするための羅針盤となれば幸いです。令和9年度入試という歴史的な転換点において、どのような準備が合格への近道となるのか。両校の深掘り比較を通じて、その答えを共に探っていきましょう。それでは、まずは最も大きな変更点である入試制度と難易度の比較から解説を始めます。

伊奈学園総合高校と埼玉栄高校の入試難易度と令和9年度入試の変更点

偏差値と合格ラインから見る両校の立ち位置

伊奈学園総合高校の合格目安となる偏差値は、北辰テストにおいておよそ60前後です。これは県内公立高校の中でも上位15%以内に入る水準であり、非常に安定した人気を誇ります。学系によって倍率は変動しますが、理数系や語学系は例年1.5倍を超えることもあり、確実な学力が求められます。

一方の埼玉栄高校は、コースによって難易度が大きく分かれます。最上位の「α選抜コース」は偏差値65以上が目安となり、難関国立大を目指す層が集まります。主力となる「Sコース」は偏差値60前後、「特進コース」は55前後となっており、幅広い学力層を受け入れる体制が整っています。

両校を比較すると、伊奈学園を第一志望とする受験生にとって、埼玉栄高校のSコースは学力的にも非常にバランスの良い併願先となります。最新の入試動向では、両校とも単なる知識量ではなく、思考力を問う問題へのシフトが鮮明になっています。

合格ラインを確実に見極めるには、内申点(調査書)の確保も不可欠です。伊奈学園では1年:2年:3年の比率を重視する独自の選抜基準を設けており、私立の埼玉栄高校においても、個別相談での評価を得るためには中学3年間の成績が重要な材料となります。

令和9年度入試から導入される「自己評価資料」の影響

令和9年度入試から、埼玉県公立高校入試では新たに「自己評価資料」の提出が求められます。これは従来の調査書だけでは測りきれない、生徒の主体性や意欲を評価するためのものです。伊奈学園総合高校のように多様な学系を持つ学校では、この資料の内容が合否に影響を与える可能性が高まっています。

具体的には、中学校生活で取り組んできたことや、高校入学後にどのような目標を持って学びたいかを記述します。伊奈学園の特定の学系を志望する理由が、自身の過去の経験とどう結びついているかを論理的に説明する力が必要です。

埼玉栄高校を併願する場合、私立入試では以前から面談や書類で意欲を見る側面がありましたが、公立の制度変更により、両校の対策に共通点が増えることになります。自己分析を早めに行い、自分の強みを言語化する練習が不可欠です。

保護者の皆様にとっては、お子様が自分の良さを客観的に把握できるよう、対話を通じてサポートすることが重要になります。数値化された偏差値だけでなく、こうした記述資料の準備が令和9年度入試の大きなポイントとなります。

全員必須となる「面接」と「My Voice」の対策

令和9年度入試のもう一つの大きな変更点は、全受検生に対して「面接」が実施されることです。伊奈学園総合高校でも、全ての志願者が面接を受けることになります。ここでは「My Voice」と呼ばれる、1分30秒から2分程度の自己表現時間が設けられるのが特徴です。

この「My Voice」では、資料だけでは伝えきれない自分の個性や熱意を直接試験官にアピールします。伊奈学園の学系教育に適応できる人物かどうかが見極められるため、一方的な暗記ではなく、自分の言葉で語る力が求められます。

埼玉栄高校でも、コースによっては面接や実技が行われます。公立入試での面接義務化により、受検生は筆記試験の対策に加え、対面でのコミュニケーション能力を磨く必要があります。これは将来の大学入試や社会生活でも役立つスキルです。

学校や塾での模擬面接を活用し、想定外の質問にも落ち着いて答えられるよう訓練しましょう。特に「My Voice」は事前の準備が合否を分けるため、内容の構成から話し方まで、徹底したブラッシュアップが推奨されます。

公立入試のマークシート方式導入と試験時間の変更

令和9年度入試からは、学力検査において一部「マークシート方式」が導入されます。記述式問題も残りますが、解答形式の変化に対応する練習が必要です。伊奈学園総合高校の受検生が受ける「学校選択問題(英・数)」でも、この形式変更が適用されます。

また、一部の教科で試験時間が変更される可能性も示唆されており、最新の募集要項を精査することが不可欠です。マークシート方式は正確な転記が求められるため、模試などを通じて時間配分やミス防止のテクニックを身につける必要があります。

埼玉栄高校の入試問題は各コース独自の傾向がありますが、公立入試の形式変更に伴い、併願対策としての問題演習もバランスよく行う必要があります。基礎知識の定着はマークシートでも記述でも共通の土台となります。

最新の試作問題が教育委員会から公開されるため、必ず一度は目を通し、実際の試験をシミュレーションしてください。形式が変わっても、問われる本質的な学力は変わりませんので、落ち着いて基礎から応用へと積み上げることが大切です。

伊奈学園総合高校独自の学系制度と埼玉栄高校のコース編成を徹底解説

7つの学系から選ぶ伊奈学園総合高校の専門性

伊奈学園総合高校の最大の特徴は、普通科でありながら「人文、理数、語学、スポーツ科学、芸術、生活科学、情報経営」の7つの学系に分かれている点です。生徒は入学時にいずれかの学系を選択し、自分の興味に合わせた専門的な学びをスタートさせます。

例えば「語学系」では、英語に加えてドイツ語、フランス語、中国語から第2外国語を選択し、3年間継続して学ぶことができます。また「芸術系」には音楽・美術・工芸・書道の専攻があり、プロを目指すための充実した設備と授業が用意されています。

このシステムにより、一般的な進学校では得られない深い知識とスキルを高校段階で身につけることが可能です。2年次からは「総合選択制」により、約190種類の科目から自分だけの時間割を作成できるのも大きな魅力です。

自分の「好き」を突き詰められる環境は、生徒の主体性を飛躍的に高めます。大学進学においても、この専門性が総合型選抜などで高く評価されることが多く、将来の進路が明確な中学生にとって理想的な選択肢となります。

埼玉栄高校の目標別4コースとスライド合格制度

埼玉栄高校は、生徒の学力と進路目標に応じて「α選抜、α、S、特進」の4コースを設置しています。最上位の「α選抜コース」は、東大・京大をはじめとする最難関国立大や医学部への現役合格を目標とする少数精鋭のクラスです。

「Sコース」は、国公立大学や難関私立大学を目指しつつ、部活動とも高い次元で両立したい生徒に最も選ばれています。「特進コース」は、日東駒専レベル以上の大学を目指し、基礎から丁寧に指導を受けることができるコースです。

入試においては「スライド合格制度」があり、上位コースを志望していても、得点に応じて他コースでの合格が認められる場合があります。これにより、自分の実力を最大限にぶつけながら、確実に合格を確保できる安心感があります。

入学後も成績や希望に応じてコース変更(スライドアップ)が可能な制度があり、常に向上心を持って学習に取り組めます。私立ならではの手厚いコース管理により、一人ひとりの到達度に合わせた最適な指導が行われています。

両校の文武両道に対するアプローチの違い

伊奈学園総合高校では、学系での専門的な学びと部活動の両立を「生徒の自主性」に委ねる傾向があります。マンモス校ゆえに部活動の種類も豊富で、全国レベルの活動を行いながらも、学業で成果を出す生徒が非常に多いのが特徴です。

対する埼玉栄高校は、学校側が「学習と部活動の両立」を強力にバックアップする体制を整えています。各コースのカリキュラムの中に講習や自習時間が組み込まれており、部活動で忙しい生徒でも学習時間を確保できるような仕組みが構築されています。

伊奈学園は「自由な環境で自らを律する力」を養い、埼玉栄は「充実した指導体制の中で着実に実力を伸ばす」という違いがあります。どちらの環境がお子様の性格に合っているかを見極めることが、3年間の成長を左右します。

部活動の実績は両校ともに全国トップクラスですが、その活動を支える哲学には公立と私立の個性が色濃く反映されています。自主性を重んじるか、手厚いサポートを求めるか、説明会等で校風を肌で感じてみてください。

キャリア教育と将来を見据えた指導体制の比較

伊奈学園総合高校では、1年次から行われる「産業社会と人間」などの授業を通じ、自分の将来について深く考える機会が多く設けられています。学系選択そのものがキャリア教育の一環であり、3年間を通じて自己実現を追求します。

埼玉栄高校では、各コースに特化した進路ガイダンスや、卒業生による講演会などが頻繁に行われます。最新の入試情報を網羅した進路指導室のサポートは極めて強力で、一般入試から推薦入試まで、あらゆる選択肢を提示してくれます。

伊奈学園は「広い視野から自分の道を見つける」ことを重視し、埼玉栄は「目標達成のための具体的なルートを提示する」ことに長けています。どちらも大学進学をゴールとせず、その先の人生を豊かにするための教育を行っています。

令和9年度入試を控える中学生にとって、自分がどのようなプロセスで成長したいかを想像することは、志望校選びの重要な鍵です。両校の卒業生の進路を見れば、それぞれの教育がどのように実を結んでいるかがよく分かります。

施設・行事の魅力を伊奈学園総合高校と埼玉栄高校の校風から比較

伊奈学園総合高校の「ハウス制」とキャンパスの規模

伊奈学園総合高校は、東京ドーム3.2個分という圧倒的な広さを誇るキャンパスが特徴です。この広大な敷地を活かし、5つの「ハウス(校舎棟)」に分かれて生活する独自の「ハウス制」を採用しています。各ハウスは独立した学校のような機能を持ちます。

ハウスごとに職員室や生徒会組織があり、学年を超えた縦のつながりが非常に強いのが魅力です。マンモス校でありながら、ハウス内では「顔の見える」人間関係が築かれており、大規模校の不安を感じさせない工夫がなされています。

施設面では、各学系に対応した専門教室が充実しています。芸術系の本格的なアトリエや、スポーツ科学系のトレーニングルーム、理数系の実験室など、公立高校とは思えないほどのハイクオリティな設備を日常的に利用できます。

大学のような広々とした環境で、多様な価値観を持つ仲間と過ごす3年間は、生徒の視野を大きく広げます。自由な校風の中で、広大なキャンパスを使いこなしながら自律的な生活を送ることが、伊奈学園生の誇りとなっています。

埼玉栄高校の最新鋭ICT設備と部活動専用施設

埼玉栄高校の施設は、私立ならではの最新鋭の設備が整っています。全館冷暖房完備はもちろん、1人1台のタブレット端末を活用したICT教育が全コースで実施されており、電子黒板を用いたスマートな授業が展開されています。

特に部活動関連の施設は国内トップクラスです。各競技専用の体育館や、夜間照明完備のグラウンド、さらには全国大会を想定した本格的な練習場など、プロ仕様の環境が揃っています。この環境が、多くの全国制覇を支える土台です。

学習面においても、個別ブース型の自習室や、現役大学生のチューターが常駐する学習サポートセンターなど、集中して勉強に取り組める空間が完備されています。忙しい日常の中で、いかに効率よく学ぶかを考え抜いた施設配置です。

埼玉栄の校風は「努力が報われる環境づくり」にあります。最新のテクノロジーと最高の練習環境を生徒に提供することで、高い目標に挑戦する意欲を常に刺激し続けています。施設を最大限に活用し、自らの限界に挑む生徒が集まっています。

1万人以上が来場する「いなほ祭」の熱気

伊奈学園総合高校の文化祭「いなほ祭」は、埼玉県内でも最大級の規模を誇ります。2日間で1万人を超える来場者が訪れ、ハウス対抗の装飾や企画で校内が熱狂に包まれます。各学系の特色を活かした発表は、プロ顔負けのクオリティです。

準備期間から当日まで、生徒たちが主体となって運営されるこの行事は、伊奈学園の「自主自律」を象徴するイベントです。異なる学系の生徒が協力して一つのものを作り上げる過程で、深い友情と達成感を分かち合います。

体育祭もハウス対抗で行われ、応援合戦の迫力は圧巻です。大規模校ならではのパワーが集結する瞬間は、生徒たちの高校生活における最高の思い出となります。行事を通じて、リーダーシップや協調性が自然と養われます。

令和9年度入試を目指す中学生にとって、いなほ祭の見学は学校の雰囲気を感じる絶好の機会です。生徒たちが伸び伸びと、そして真剣に行事に取り組む姿を見れば、伊奈学園の校風をより深く理解できるはずです。

埼玉栄高校の団結力を示す「体育栄光祭」

埼玉栄高校の体育祭、通称「体育栄光祭」は、上尾運動公園陸上競技場などの外部施設も活用して行われる大規模な行事です。全国レベルのアスリートたちの走りを間近で見られるほか、全生徒による集団演技は圧巻の美しさを誇ります。

「文武技芸」を重んじる埼玉栄らしく、競技だけでなく応援や礼儀、マナーに至るまで徹底された運営が行われます。クラスの団結はもちろん、学校全体が「栄」という名前の下に一つになる感覚を味わえる特別な一日です。

文化祭である「栄華祭」も、部活動の発表を中心に非常に活気があります。吹奏楽部やマーチングバンド部の演奏、書道部によるパフォーマンスなど、各界の頂点を目指す生徒たちの輝きを間近で体感することができます。

埼玉栄の行事は、日頃の努力の成果を披露する「晴れ舞台」としての側面が強く、生徒たちの自己肯定感を高める重要な機会となっています。厳しさの中にある楽しさと、互いを尊重し合う校風が、行事の端々に現れています。

伊奈学園総合高校と埼玉栄高校の最新進学実績と合格力をデータで検証

国公立大学への現役合格実績の推移

進学実績において、両校は共に優れた成果を残しています。最新の令和8年度(2026年3月卒)実績を見ると、伊奈学園総合高校は46名の国公立大学現役合格者を輩出しました。千葉大や埼玉大などの難関国立大に加え、筑波大や宇都宮大などにも安定した強さを見せています。

対する埼玉栄高校は、近年国公立大学への合格者数を急速に伸ばしており、令和8年度は57名の現役合格を記録しました。α選抜コースを中心とした「国公立特化型カリキュラム」が実を結び、東大・京大などの最難関から、地方の国立大まで幅広い合格実績を誇ります。

伊奈学園は学系での専門的な探究学習を活かした「総合型選抜」での国公立合格に強みがあり、埼玉栄は「一般入試」で勝ち抜くための5教科の徹底した底上げに定評があります。どちらのルートもお子様の適性に合わせて選ぶことが可能です。

令和9年度入試を控える中学生にとって、これらの数字は「入ってからの伸び」を象徴するものです。どちらの学校も、現役合格へのこだわりが強く、3年間で生徒の学力を最大限に引き出す指導体制が確立されています。

学校名 国公立大合格者(2026卒) 主な合格校
伊奈学園総合 46名 筑波・千葉・埼玉・宇都宮など
埼玉栄 57名 東京・京都・東北・埼玉など

早慶上理・GMARCHへの合格者数比較

難関私立大学の合格実績においては、埼玉栄高校の伸長が目覚ましいものがあります。令和8年度入試では、早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科)に34名、GMARCHに113名の合格者を出し、校史を塗り替える実績を達成しました。

伊奈学園総合高校も非常に層が厚く、GMARCH合計で154名の合格者を輩出しています。特に立教大学や明治大学への合格者が多く、公立校としては県内トップクラスの数字を維持しています。大規模校ゆえの層の厚さが、こうした安定した数字に繋がっています。

日東駒専レベルについても、両校ともに250名から300名を超える合格者を出しており、中堅以上の大学への進学力は極めて高いと言えます。伊奈学園は語学系から国際系学部へ、埼玉栄はSコースから実力で難関私大へという流れが定着しています。

私立の埼玉栄は最新の入試情報を活かした戦略的な受験指導を、公立の伊奈学園は生徒の多様な興味を活かした主体的な受験指導を、それぞれ得意としています。合格者数の多さは、生徒たちが互いに切磋琢磨し合える環境があることの証です。

芸術・スポーツ系進路の圧倒的な実績

伊奈学園総合高校と埼玉栄高校を比較する上で外せないのが、芸術やスポーツに特化した進路実績です。伊奈学園の芸術系からは、東京藝術大学をはじめとする難関国公立美大・音大への合格者が毎年コンスタントに生まれています。

埼玉栄高校の保健体育科からは、推薦入試等を利用して名門体育大学へ進む生徒が多数います。また、卒業後そのままプロの世界や実業団へ進むトップアスリートを輩出している点は、他の追随を許さない埼玉栄ならではの強みです。

「勉強だけでなく、自分の才能を活かして大学に行きたい」と考える生徒にとって、両校は最高のサポートを提供してくれます。専門の指導者が入試実技の指導まで丁寧に行う体制は、一般の進学校では得られない大きなメリットです。

これらの実績は、各分野で「日本一」や「県内トップ」を目指す環境があるからこそ生まれるものです。同じ夢を持つ仲間と、その道を熟知した先生に囲まれて過ごす3年間は、進路実現において計り知れない力となります。

指定校推薦枠と推薦入試への対応

指定校推薦枠については、歴史のある両校ともに非常に充実しています。埼玉栄高校は私立のネットワークを活かし、早慶を始めとする都内の有名私大から多くの推薦枠を得ています。学内選考は厳正ですが、日頃の努力が報われる制度です。

伊奈学園総合高校も、公立校としては最大級の指定校推薦枠を保有しています。また、学系での活動実績を活かした「自己推薦」や「総合型選抜」での合格率が非常に高いのも特徴です。自分の歩んできた道を言語化する力が、推薦入試で大きな武器になります。

近年、大学入試の4割以上が推薦系入試となっている中、こうした「推薦への強さ」は大きな魅力です。一般入試で戦える学力をつけつつ、チャンスがあれば推薦も活かすという柔軟な姿勢を、両校とも大切にしています。

令和9年度入試に向けた説明会等では、各校の推薦枠の具体的な状況についても確認してみると良いでしょう。将来の進路の選択肢がどれだけ広がっているかを知ることは、今の勉強のモチベーションに直結します。

合格を勝ち取るための伊奈学園総合高校と埼玉栄高校の併願戦略

北辰テストの偏差値推移と個別相談の活用

令和9年度入試で伊奈学園総合高校と埼玉栄高校の合格を勝ち取るための第一歩は、北辰テストでの安定した成績確保です。埼玉栄高校の「確約」に近い評価を得るためには、中学3年生の7月から12月にかけての北辰テストの偏差値が重要になります。

通常、上位2回の平均値が判断基準となりますが、埼玉栄はコースが多いため、自分の現在の偏差値でどのコースが狙えるかを早期に把握しましょう。伊奈学園(偏差値60程度)を本命とする場合、埼玉栄のSコースで合格を確保しておくのが理想的です。

個別相談会には、北辰テストの結果資料と通知表のコピーを必ず持参してください。先生方が現在の成績から合格の可能性を具体的にアドバイスしてくれます。私立の合格を1つ持っておくことは、2月の公立本番での精神的な安定に大きく寄与します。

保護者の皆様は、お子様の偏差値の推移を冷静に分析し、無理のない、かつ挑戦しがいのある併願パターンを組み立ててください。北辰テストは、弱点を発見し、克服するための最高のツールでもあります。

学校選択問題対策と埼玉栄の入試問題

伊奈学園総合高校の入試で採用される「学校選択問題(数学・英語)」は、標準問題とは一線を画す難易度です。この問題を解く力は、埼玉栄高校の上位コース(α選抜やα)の入試問題に対応する力と直結しています。

数学では思考力を問う図形の証明や高度な関数、英語では長文読解の語彙力とスピードが求められます。10月までは基礎を固め、11月以降は学校選択問題の過去問演習を繰り返しましょう。ミスを減らし、解ける問題を見極める「戦術」も必要です。

埼玉栄の入試問題も独自の傾向がありますが、公立上位校を目指す学習を続けていれば、十分に対応可能な範囲です。私立の過去問も12月頃から解き始め、時間配分や出題形式に慣れておくことが、ダブル合格への鍵となります。

「どちらの試験でも8割を目指す」という高い意識が、結果として両校の合格を引き寄せます。学校選択問題で苦戦するようであれば、基礎に立ち返る勇気も必要です。難しい問題ほど、基礎の組み合わせでできていることを忘れないでください。

令和8年度からの学費所得制限撤廃と併願のしやすさ

令和8年度(2026年度)から、埼玉県内において私立高校授業料の所得制限が撤廃されました。これにより、全世帯が「実質無償化」の対象となり、私立の埼玉栄高校を選択する経済的なハードルが劇的に下がっています。

これまで「学費が高いから私立は受けない」と考えていた家庭でも、公立の伊奈学園総合高校との併願が非常にしやすくなりました。授業料以外の諸経費はかかりますが、塾代わりの手厚い指導を考えれば、私立のメリットは大きいです。

この制度変更により、令和9年度入試では埼玉栄高校のような人気私立校への志願者がさらに増えることが予想されます。併願校としてだけでなく、私立を第一志望に据える受験生も増えるため、早めの情報収集と対策が必要です。

学費の心配が軽減された分、純粋にお子様の将来の夢や校風との相性で学校を選べるようになりました。公立・私立それぞれの良さをフラットに比較し、お子様にとって最高の環境がどちらかを家族で話し合う良い機会です。

自己評価資料と面接の準備(新制度対応)

令和9年度入試の公立入試における最大の変化である「自己評価資料」と「面接」の準備は、私立の埼玉栄高校の対策にも役立ちます。自分を客観的に見つめ、長所や目標を伝える力は、入試形態を問わず重要視されるようになっているからです。

伊奈学園総合高校の志望理由を考える際、「なぜ特定の学系なのか」を突き詰めることは、埼玉栄のコース選びの理由を明確にすることにも繋がります。両校の共通点と相違点を整理することで、志望動機に深みが増し、面接での説得力が高まります。

面接練習は、冬休み頃から本格化させましょう。自分の言葉で、かつ礼儀正しく話す練習を繰り返すことで、本番の緊張を和らげることができます。令和9年度からは面接の点数が公表されるなど透明性が増すため、対策の重要性はこれまで以上です。

最後に、どのような結果になっても「この学校で頑張りたい」と思える学校選びをしてください。伊奈学園も埼玉栄も、努力する生徒を全力で応援してくれる素晴らしい学校です。自信を持って試験に臨めるよう、日々の学習を積み重ねていきましょう。

まとめ|伊奈学園総合高校と埼玉栄高校を徹底比較!入試難易度、校風、進学先は?

  • 偏差値の目安:伊奈学園は偏差値60前後。埼玉栄はα選抜(65+)、S(60)、特進(55)とコースにより異なる。
  • 新入試制度の導入:令和9年度から公立入試で自己評価資料と全員面接(My Voice)が必須となり対策が重要。
  • 学系制度の魅力:伊奈学園は7つの専門的な学系から選択し、2年次から自分だけの時間割で学べる大学のような環境。
  • ハウス制の効果:伊奈学園独自の「小さな学校」システムにより、大規模校ながら温かな人間関係と指導を実現。
  • 進学コースの強み:埼玉栄は目標に応じた4コース制。塾なしで難関大を目指せる「栄講習」やICT管理が徹底。
  • 部活動の実績:両校とも全国トップレベル。埼玉栄はプロ仕様の専用施設と専門指導陣による「栄魂」の育成が特徴。
  • 大学合格力:埼玉栄は早慶GMARCH合格者が過去最多を更新。伊奈学園は国公立や総合型選抜での進学に強み。
  • 学校選択問題:伊奈学園の数学・英語は難易度高。埼玉栄の上位コース対策と並行することで相乗効果が期待できる。
  • 学費の無償化:令和8年度より私立授業料の所得制限が撤廃。埼玉栄も実質無償化の対象となり併願の壁が消滅。
  • 校風のまとめ:自由と自主性を重んじ多様な学びを追求する伊奈学園、手厚い指導と文武両道で頂点を目指す埼玉栄。